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guest02-1   2015年7月2日、野間幹晴准教授の会計・バリュエーションの基礎に、株式会社経営共創基盤の代表取締役CEO、冨山和彦氏がゲストスピーカーとして登壇され、「コーポレートガバナンスの役割」というテーマでご講演された。

  コーポレートガバナンスコードや会社法改正など、日本でコーポレートガバナンス改革が進みつつあります。こうしたコーポレートガバナンス改革の背景として、過去20年間にわたり世界経済における日本経済・企業の地位が低下し続けたことを指摘されました。

  ガバナンスの究極の目的は「長期持続的な企業価値の向上」にあり、その達成を阻害する経営課題が日米で異なると論じられました。米国では強力な権限を持つCEOの暴走を防ぐこと、あるいは不祥事や強引な意思決定を抑止することが経営課題であるため、ガバナンスの役割はコンプライアンスの強化、すなわち守りのガバナンスです。一方、日本ではサラリーマンのムラ型ガバナンスによる意思決定の機能不全に起因する収益率の低下が経営課題であり、ガバナンスの役割は収益性の向上、すなわち攻めのガバナンスです。

  とりわけ、日本企業の経営課題は事業の選択と集中(捨象)が進まないこと、およびトップマネジメントの交代にあります。こうした限界を克服するために、株主との対話、独立社外取締役の選任、指名諮問委員会などを通じて長期ビジョンやトップ人事に外部の視点を取り込むことで、「攻めのガバナンス」を強化することが重要です。

  ご講演の最後には、会計・バリュエーションの基礎という講義を意識され、「会計・バリュエーションの背後には、人間がいる。バリュエーションのモデリングのきもは、人間の営為、人間的リアリティが見えること」と喝破されました。

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