寄附講義「ニッセイアセットマネジメント資産運用論」における2015年12月25日の講義で、ストスピーカーとして、ジェイ・ユーラス・アイアール株式会社のマネージングディレクター・取締役である高山与志子氏が登壇され、「ガバナンス改革と日本企業の課題」というテーマで講演されました。

スライド2

 日本企業は長らくコーポレート・ガバナンスについて、「経営陣が(様々なステークホルダーとの関係や社内を)監督するのがガバナンスである」という認識を持ってきたため、「株主が経営陣を監督する」「そのためには社外取締役は必須だ」と捉える投資家との間に顕著なパーセプションギャップがありました。このギャップによって海外の投資家からは、日本企業はグローバルな基準を満たしておらず、特殊な存在である、と考えられてきました。

しかし、日本株に対する海外の機関投資家の保有比率が31.7%(2015年3月末現在)となり、その内訳として米国と英国の投資家が7割(2013年12月末現在)を占める昨今では、グローバル市場で求められるガバナンスの基準を十分意識して行動する必要があります。そこで、日本政府による2013年の『日本再興戦略』(閣議決定/2014年改訂)スライド1、及び2014年の『日本再生ビジョン』などに基づき、2014年にスチュワードシップ・コード、及び2015年にコーポレートガバナンス・コードが策定されました。これに伴い、日本においても、一般株主を代表する立場にある社外取締役が加わった取締役会が経営陣を監督することが、ガバナンスの要点となりました。ガバナンス体制は国によって異なりますが、一般に、取締役会の監督機能に実効性を持たせるためには、社外取締役の存在が最低限満たすべき形式であると考えられています。

 

 

上記2つのコードの運用が開始された現在では、日本企業においても多くの企業が複数の社外取締役を任命し、取締役会の監督機能の強化を図っています。ただし、ガバナンス体制の強化が経済の好循環につながる実質を伴ったものなのか、また、企業と投資家の対話が建設的な形で進んでいるかなどについて、さらなる議論が必要であると思われます。