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ゼミ探訪「中川ゼミ紹介」

小人数ゼミは本コースの特色であり、学生は、2年間必ずどこかのゼミに所属します。ゼミの規模は、通常では5-6人です。ゼミは毎週月曜日に行わ れ、学生の問題意識を深めるために文献を輪読したり自身の学位論文研究について報告した上で、ゼミ教員や他のメンバーと活発な議論を重ねながら、 最終的に学位論文を仕上げていきます。
プロフィール写真

ゼミのMotto:去る者は基本的に追わず… 来る者はほとんど拒まず…

おそらく、他のゼミにくらべると指導教員の私が同席する「飲み会」や「ゼミOB会」というのは極端に少ないと思われます(ゼミ生どうしではそれなりに交流があるかもしれませんし、そっちの方が充実していればそれでよいと思っています)。
他の多くのゼミでは恒例行事となっていると思われる学期末のゼミ打ち上げのようなことも私の方からは言い出しません。学生の方で企画してくれた場合には極力参加していますが。

 私自身が特にゼミ生の皆さんとどちらかというとドライな関係でいることを望んでいるというわけではありませんが、すでに社会人として職場や家庭や過去・現在の友人たちという様々なコミュニティとの関わりがある中で、大学院の指導教員とのつきあいをどの程度にするかは各自で判断してもらえればよいと思っていて、何かしらゼミ指導以上のことを望まれればそれなりに応えているつもりですし、ゼミ指導だけをしっかりしてほしいという関係を望まれるのであれば、それに関してはきっちりとプロフェッショナルに対応しているということになろうかと思います。

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(ということで、ここで紹介できる飲み会等での楽しげな集合写真的なものは、ほとんど無いと思っていましたが… 左の写真はたまたまタブレットにあった元ゼミ生SさんとHさん(二人とも2016年3月修了)との懇親会か何かでの3ショット写真にHow-Old.netを施したもの。私が一番若く判定された記念です。元ゼミ生のお二人はもっと若いはず? )

 

 

 

中川ゼミの基本的なキーワードは「リスク」ということになろうかと思います。そのなかでも、広い意味での「信用リスク」の話題が多く、例えば以下のようなテーマを指導してきました。

  • デフォルト判別とか格付推定のような与信(個別/ポートフォリオ)リスク管理に関する話題
  • 社債の信用スプレッドやCDS/CDO などのクレジットデリバティブのような金融商品評価やリスク管理に関する話題
  • 「カウンターパーティリスク」や「CoCo 債」といった市場先行で理論が完全に後追いしているような話題
  • 「ERM」とか「流動性リスク」とか「住宅ローンのプリペイメントリスク」といった話題
  • 一般的なデリバティブ評価の話題

なお、私自身は「理論→実証」という視点というか、数学モデルから演繹される命題や仮説を、データ分析を通じて検証する(データがなければ数値実験する)というのが基本的な研究スタイルです。したがって「リスク」をテーマに研究したものでも、ちがったアプローチをとりたいという場合は他の先生がよいでしょう。

たとえば、「コピュラ」を用いた研究をしたい人には中村信弘教授のゼミをお奨めしています。「機械学習」「データサイエンス」を志向する人には横内大介准教授のゼミをお奨めしています(もちろん私のところに来てもらえれば基本的には拒みません)。

中川ゼミでは、学年・学期ごとのゼミの目的と方法を以下のように設定しています。

【M1 春学期】 → とりあえず質問攻めにする時期
 目的:知識を得ることはどちらかというと二の次で、本や論文を精読するうえで、数式を含んだ議論や図表の解釈などをおろそかにしないという姿勢を身につけてもらうこと
 方法:中川がそのときの興味で選んだテキストあるいは論文について輪講。一人40分程度で担当箇所を説明。学期中の発表回数はそのときのゼミ人数による

      過去に扱った内容は以下のとおり。もちろんその内容を全部扱えているわけではなく、ほんの一部であったり、途中で終わったり、ということがほとんどです。

textbooks

  • 2008: S.E.シュリーブ『ファイナンスのための確率解析Ⅱ』
  • 2009: ダフィー=シングルトン『クレジットリスク ―評価・計測・管理―』
  • 2010: コピュラの応用を扱ったLi (2000)とクレジット・デリバティブ評価を扱ったJarrow-Turnbull(1995)の論文
  • ※ 2011年度は、サバティカル扱いのためM1ゼミは担当せず
  • 2012: Gregory: Counterparty credit risk
  • 2013: ギルボア『意思決定理論入門』
  • 2014: Embrechts らの「リスク統合とモデル不確実性」に関するワーキングペーパー
  • 2015: ヒュン・ソン・シン『リスクと流動性』
  • 2016: 機械学習的な手法(Random Forest とか Support Vector Machine とか)によるリスク計測に関する論文

【M1 秋学期】 → とりあえず手当たり次第いろんな文献に接してほしい時期。それでも質問攻めにする時期
 目的:各自の修士論文テーマの方向性の確定およびテーマに応じた背景理論や主要な分析手法のきちんとした理解
 方法:資料収集・論文講究をふまえた論文紹介(修論テーマとの関連に触れつつ)一人40分程度。学期中の発表回数はそのときのゼミ人数による 

【M2 春学期】 → 修論の土台となる文献をしぼってほしい時期。実行可能な落としどころをともに考えていく時期
 目的:各自の修士論文具体的なモデル・分析手法・データ等の 絞り込みおよびアウトライン初稿の作成
 方法:資料収集・論文講究をふまえた論文紹介および準備状況や予備分析の報告)一人40分程度。学期中の発表回数はそのときのゼミ人数による 

【M2 秋学期】 → 現実的な制約をふまえて論文をまとめてもらう時期
 目的:修士論文作成
 方法:個別面談を一人30分程度、隔週でというのがスタンダード(進捗報告・問題点についてのディスカッション)。ただメールでの質疑や、ゼミ時間以外の面談、原稿ドラフトの赤ペンチェックなどに適宜対応